教育の情報化が進み, 教育・学習支援システムに蓄積される教育データを授業や学習環境等の改善のために利用推進されている.効果的な教育データ活用に向けてデータリテラシー(Data Literacy: DL)が注目され, その育成の必要性が指摘されている。しかしながら、分析スキル・ツールの利用能力の枠内に留まっていること、学習者の能力という観点が欠けていること、教育データの分析結果の解釈から意思決定、改善行動まで捉えられていないなど、以上を踏まえた研究アプローチが示されていないといった課題が存在する。本研究は対象者を学習者に絞った上で、統計学や情報学の枠内で規定されているデータリテラシーを土台にしながらも、教育学領域において「教育データリテラシー」を定義し、その習得モデルを教育哲学・教育社会学の観点も含め、教育の在り方・教育データリテラシーの社会的影響も含めて構築する。構築によって、教育学領域における教育データリテラシー研究を構築していく。